社員旅行は時代遅れ?実施する目的とメリット
各企業で行われる社内イベントは企業ごとで様々だと思います。そんな中でも大きなイベントといえば社員旅行でしょう。
1980年代~1990年代のバブル期に社員旅行はピークを迎え、ほとんどの企業が実施する社内イベントでした。
時代も移り変わり2020年代の現在では、時代と会社環境の変化とともに人々の心境の変化もあり、仕事とプライベートの両立、プライベートの充実、ライフワークバランスの重視が多くの人々に見られているのではないでしょうか。
社員旅行は時代遅れだという声もある中で、現在もまだ社員旅行を行っている企業もございます。
それは社員旅行を実施することで得られるメリットもあるからです。
今回は、社員旅行を行うことで得られるメリットと社員旅行の時代の流れについてスポットをあてて、ご紹介をしていきます!

1.社員旅行の時代背景
社員旅行はいつから存在するのでしょうか。明確な開始は不明ですが、戦後 高度経済成長期に結束力を高める手段の一つとして広がりました。
その後、1980年代~1990年代のバブル期に社員旅行はピークを迎え、約9割の企業が実施し、組織の結束を強める重要な社内イベントとなっていました。
その後、バブル崩壊があり景気低迷・コストダウンの背景を経て2000年代に突入し、社員旅行の実施率は下がっていきます。2009年頃に約5割ほどまで回復傾向ではありましたが、まだ記憶にも新しいコロナ禍を迎え2019年12月より大きく実施率が下がりました。2023年5月より新型コロナウィルスも5類へと移行し、社員旅行の実施も徐々に回復していきます。
そして現在では、約3割弱の企業が社員旅行の実施を行っています。
2.社員旅行で得られるメリット
社員旅行の実施率は現在では約3割弱となりますが、時代の背景とともに社員旅行を行う目的も変化しています。
社員旅行を行うことでのメリットは何があるのでしょうか。
①チームワークの向上・結束力のUP
社員旅行が始まった時期から変わらず、一つの目的となるのが「チームワークの向上・結束力のUP」です。
個人で行く旅行とは違い、団体行動が少なからず発生するので協調性が生まれます。また企業によって中身は変わりますが、余興やレクリエーション、研修など行うことでよりチームワークが強固になります。
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②コミュニケーション活性化
普段関わりがない、少ない部署の人とも交流する機会となり、友好関係が生まれます。また、現代ではリモートワークや在宅勤務などもあり、話をしたことはある・画面で見たことはあるが実際に会ったことはない人とも直接コミュニケーションをとることで、帰着後の業務でも以前よりも会話が弾んだり、円滑に進むことがあります。
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③人材育成・成長
上記のチームワークの向上、コミュニケーション活性化で個人の成長も見込める且つ、余興やレクリエーションを行うことでより人材育成に繋がります。また研修などを盛り込み普段とは違う環境で学びを得ることもあるのではないでしょうか。
特に幹事となる人は参加者に比べ、社員旅行前からの準備、社員旅行後の報告書準備などでより成長の場となるのではないでしょうか。
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④社員のリフレッシュ
日々の業務から離れ、リフレッシュできる機会を提供することでモチベーションUPにも繋がります。
日頃の業務、仕事の労いの意味でも社員旅行を行うメリットがあります。
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上記のように社員旅行には目的・メリットがあり、企画・実施がされています。
「社員旅行は時代遅れだ」という声もありますが、企業側も前に実施したから、伝統だからという訳ではなく、実施する意図をもって行っております。また社員へのリフレッシュも兼ねていますので、社員のことを思っての行事でもあることを頭に入れておきましょう。
3.社員旅行に行きたくない人の考え
上記では社員旅行のメリットをご紹介させていただきましたが、時代の流れとともに社員の社員旅行への考え方は変わってきています。
社員旅行の参加はしたくない、行きたくないという人は増加傾向にあります。行きたくない理由にはどんなものがあるのでしょうか。
①プライベートの時間が削られる
出勤扱いでない、休日を利用した社員旅行だと、個人の時間を奪われてしまうと感じます。現在では仕事環境も変わり、ワクライフバランスを重視した人が増加しています。個人の時間、家族との時間を大切にすることも企業側としては尊重する必要性があります。
②人間関係、気遣いへのストレス
旅行ということで24時間 会社の人と一緒にいることでの気遣いで気疲れしてしまうということもあります。
企業側は自由行動時間や部屋割などを配慮していくことも大事となります。
③業務がストップしてしまう
社員旅行に行くことで通常業務が出来なくなり、業務に支障が出てしまうという心配があります。
事前に業務のスケジュール立て、企業としては2班に分けて社員旅行を行うなどの対策が必要となります。
どうしても参加できないという人は少なからずいらるかと思います。そんな時はどう断るべきなのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そんな人は以下のコラムに断り方を紹介しています。
▼行きたくない・行けない時の社員旅行の断り方・言い訳▼
4.社員旅行の参加率を上げるポイント
社員旅行の参加率を上げたい企業も多いかと存じます。
成長の場にしたい、皆で楽しみたいなど色々な理由があるかと思いますが、社員旅行を経費計上する条件の一つにもあるので参加率を上げることはとても大切なこととなります。
社員旅行を経費計上する条件の一つに『旅行参加者が全体の人数の50%以上であること』があるため、50%を切ってしまうと経費計上が出来ないということになりかねません。
※社員旅行の経費計上に関しては以下のコラムにて紹介をしています。
▼社員旅行を経費計上で落とす正しい処理方法!▼
参加率を上げるポイントを紹介していきます。
①社員旅行の催行を土日や連休を避けた日程で計画する
社員旅行に行きたくないという意見の中にはプライベートの時間を削られてしまうと記述した通りで、この意見は個人のライフワークバランスに影響を与えます。そのため、休日や連休を避けてそういった考えの人に配慮をし、社員旅行を組み立てましょう。
②適度に礼儀作法は目をつむる
気遣い、心配りは大切ですが、旅行となると一緒にいる時間も長くなります。部下が常に気を張っている状態ですと、リフレッシュも兼ねたせっかくの社員旅行が楽しめません。そのため、適度に礼儀作法を省いて、いつもより近い存在として過ごしてみると良いかと思います。
③自由行動の時間を取り入れる
せっかくの社員旅行は色んなところに行きたい!というご意見もありますが、参加者の全員がそういう考えではありません。2泊3日のプランであれば中日は自由行動にする、初日は早めにホテルにチェックインをして夕食まで自由行動など各自の時間を作るようにしましょう。
④社員旅行の費用は個人負担がでないように!
社員旅行には行きたいけど費用がかかるなら諦めようと考えている人もいます。せっかく参加の意思があっても個人負担が大きいと断念してしまう人は出てくるものです。
社員旅行の条件を満たして福利厚生費として経費扱いにし、参加率を上げましょう。
予算もあるかと思いますが、削るところは削る、自由行動時間の食事は個人負担など会社と個人で負担する部分を明確にして、社員旅行の計画を立ててみると良いかと思います。
いかがでしたでしょうか。
今回は社員旅行の歴史と実施することでのメリットに関してご紹介をさせていただきました。
社員旅行は時代遅れと感じている人もいるかと思いますが、行うことで自身の成長、社員同士のコミュニケーションの活性化・結束力向上など得られるものにも繋がります。
もちろん社員旅行の内容によっては参加が難しいなどがあるので、時代遅れではなく、時代にあった内容に変えていく、社員に配慮をしていくことが重要になってきたのかと思います。
ポイントを抑えて社員旅行の成功に繋げていきましょう!
















