楽しみながらためになる!チームワーク強化の社員旅行企画
せっかく行くなら研修未満慰安以上、楽しく役立つ旅行に!
かつてに比べ、下火になっているといわれて久しい社員旅行などの社内大型イベントですが、昨今はより先進的な企業で社員旅行の意義があらためて認識され、注目されるところとなっています。
それは今日の柔軟な働き方や変化の激しい市場環境、それに応じた組織横断的プロジェクトの増加や事業内容の多角化、絶え間なく求められる新たな価値の創造、生産性向上やイノベーションの重要性といった点と深く関わりがあります。
ビジネスにおいてこれらを組織的に、継続的に実現させていくためには、社内コミュニケーションの深化、チームワークの強化がこれまで以上に重要となります。しかしこの真に強いチームワークは、かたちから作って生まれるものではなく、自然に醸成されるものでなくてはなりません。
そこで着目されたのが社員旅行です。社員旅行というイベントを、日々の労務に対する慰労、福利厚生のサービスでありリフレッシュの機会として提供・実施するだけにとどめず、楽しく一体感を得られるものとしたり、帰属意識を高めたりする機会として活かす、企業にとっても大きな意義とビジネスメリットをもつものにする取り組みが始まっているのです。
今回はそうした新しい社員旅行にスポットを当て、チームワーク向上に寄与する企画としてどのようなものが行われているのか、参考となる事例をみていきましょう。
目的を明確に、企画時点から意義のあるものへ
宿泊を伴うものとして、普段とは違う環境へ出かける社員旅行は、必然的に長い時間を共に過ごし、それぞれの素に近い姿が見えやすいものとなることから、一定以上のコミュニケーション不足解消効果はすぐに期待できます。チャットなどでのやりとりが中心で、普段顔をつき合わせる機会が大幅に減っているケースなどでは、とくに新しい発見も多くなるでしょう。
しかし、ただ出かけて名所を散策、食事と宿泊といったプランでは、互いをよく知る機会として十分に機能しませんし、コミュニケーションの活性化もあまり期待できません。親睦が深められたようにみえても、一時的なものに終わってしまう可能性もあります。
そこで参加してよかったと思える満足度と日常業務にもたらすメリットを高めるため、企画の時点から目的を明確に、テーマをもったプラン作成を行うことが重要です。チームビルディングをとり入れたものにする、スポーツゲームを通じてチームワークの向上を図る、野外調理など共同作業を進める機会を充実させるなど、社内における現状の課題と照らし合わせながら、具体的にテーマを決めていきましょう。
チームビルディングの社員旅行
コミュニケーションを促進させ、社員同士の結束力を強めることができると近年、実践する企業が増えているのはチームビルディングです。これは、参加するそれぞれのメンバーが自分の能力や個性を主体的に発揮し、チームとして協力しながら共通の目的を達成することを目指すものです。
ランダムなメンバー編成でいくつかのチームを組み、用意された画用紙を使って限られた時間内にできるだけ高いペーパータワーを作るといったグループワークのゲームや、それぞれのメンバーが持つ情報カードを組み合わせ、位置を推理していく地図ゲームや宝探しゲーム、月に不時着した宇宙飛行士の設定で残されたアイテムの優先順位を決めていく合意形成の「NASAゲーム」と呼ばれるもの、またよりビジネス現場に近いカード交換の交渉ゲーム「THE商社」といったゲーム企画などは、チームビルディングに有効です。
社員旅行中のレクリエーションとしてとり入れれば、これまでにない楽しさと充実感、その後のソフト面における効果が実感できるでしょう。
実際に体を動かすスポーツ企画もおすすめです。年齢層や男女構成など、体力面の違いなどに配慮しながら、無理なく参加できるものを選びましょう。普段あまり交流がない部署間のメンバーを混合させたチームでフィールドアスレチックに挑戦したり、ドッジボール大会で勝負したりするプランが考えられます。
あまり馴染みのないスポーツ、競技人口の少ないスポーツにチャレンジしてみるのも面白いでしょう。勝ったチームはよい部屋に泊まれる、夕食に特別メニューがプラスされるなど、簡単なインセンティブを設けておくと盛り上がりますね。それぞれがチームの中で自分の強みを発揮し、役割を担って勝利に貢献する、真剣に遊ぶことで自然とチームワークが向上していきます。
こうしたゲームやスポーツの企画実施においては、作戦を練ったり、勝因・敗因を探ったりするディスカッションの機会を設けることもポイントです。この体験は意識することなく、ビジネスにもそのまま応用していけるスキルと雰囲気、人間関係を築くものとなっていくでしょう。
振り返りも忘れずに!多彩で意義のある社員旅行を
共同作業を重点に置くなら、BBQやカレー作り、農業体験などを旅行プランに含めるのもよいですね。それぞれ役割分担をしながら、共通の作業に取り組む過程で、知らなかった同僚の意外な一面を発見したり、完成時の大きな達成感を味わったりすることができるでしょう。社会貢献につながる清掃活動など、やりがいのあるボランティア活動をうまくとり入れていく案もあります。
いかがでしたか?この他にも、開放的な野外ならではのユニークなゲームをプランに含めたり、バス移動の時間を活かしたミニゲームで交流を深めたりと、工夫できるポイントは多数あります。
意義深いものとするため、重要なのは目的を明確にしたプランをしっかりと立てること、それにそった準備を十分に行い実施当日に備えること、そして振り返りの機会を設けることです。
取り組みもただ実践しただけで終えるのと、どんなことを感じたか考え話し合う、反省点も出しながら今後のビジョンを共有するというように発展させていくのでは、もたらされる効果が全く異なってきます。
あまり堅苦しくならないよう、リフレッシュと楽しみの観点も重視しながら、ぜひ自社にあった社員旅行のかたちを探ってみてください。
(画像は写真素材 足成より)