特殊な取組としてあげられる「企業内の合宿研修」

社員に対し、会社のビジョンや方針を理解してもらうための方法としては、各種の研修があります。

研修と言えば、座学で講義を受ける形式や、実際の業務を習得するために、現場で実践的な動作を学ぶことなどがありますが、企業によっては、特殊な研修が行われる場合があるのです。

企業で実施される特殊な研修の事例についてみていくことにしましょう。

まさにサバイバル！「無人島研修」

「チキンラーメン」や「カップヌードル」などの人気商品を発売している日清食品は、新任の管理職などを対象として、瀬戸内海の無人島で合宿を行っています。

合宿では、毎日の生活に欠かせない時計や携帯電話などが没収され、その代わりに渡されるものは、チキンラーメンや最低限の米や小麦粉、釣り用の針と糸のセット、ビニールシートなど、ごくわずかなものにとどまります。

しかも、このわずかな食料と道具のみで、無人島にて3日間を過ごさなければなりません。そのうえ、チキンラーメンなどの食料を食べるためには、火をおこさなければなりませんが、火をおこすことすら困難な状況に追い込まれます。

まさに極限に追い込まれた状況と言えますが、それでも、参加者たちは知恵を絞りながら、3日間を無人島で過ごします。

3日間を無事に過ごしきった参加者たちは、毎日の快適さのありがたみを十分にかみしめられるだけでなく、極限状態の中でも生き延びられたことは、大きな自信につながることでしょう。

弊社では、各地（東京や大阪等）から現地無人島まで交通手段付きのご旅行（研修）の手配を致します。ぜひお問合せください。

企画書の作成から販売まで実施「竹とんぼ研修」

各種の電気機器を製造・販売するTDKは、新人研修で竹とんぼを作ります。

この研修は、単に竹とんぼを作って飛ばすだけではなく、竹とんぼの製作にあたってチームを作成し、チーム内で竹とんぼ製作のための企画書を作成したり、独自性のある竹とんぼに特許を申請したりするなど、実際の業務同様、本格的な流れで行われることが特徴的です。

また、予算も設けられ、必要に応じて部材の手配まで行います。

竹とんぼは、定められた時間を超える飛行を実現しなければならないほか、完成した竹とんぼの即売会も実施され、プレゼンや販売のスキルも問われます。

竹とんぼの性能や斬新さ、販売利益などを元に優勝チームが決められますが、メンバーらは目的に向かって一致団結することもあり、課題を克服して目標を達成する力が身につくことでしょう。

商人としての基本を学ぶ「農業研修」

大手総合商社の伊藤忠商事は、創業地である滋賀県において、新人を対象に農業や林業の研修を行っています。

大手総合商社が、新人研修として農業や林業の研修を行うことは、意外なようにも感じられますが、商品を販売するためには、生産者の思いを理解することが重要、という趣旨で実施されているものです。

例えば、農業研修のチームは、農作物の植え付けや収穫、そして、農作物の加工など、一連の作業を行います。また、商品販売の研修として、堆肥の営業を行いながら、実際に販売へと結びつけます。

泥くささが感じられる研修ではありますが、生産の現場を目のあたりにするメリットがあるだけではなく、生産者の思いが感じられる商品を売り込む、という商人としての基本が身につきやすくなります。

弊社では、各地（東京や大阪等）から現地までの交通手段手配及び農業体験ツアーもございます。ぜひお問合せください。

社会人としての基礎を身につける「自衛隊体験研修」

ここ最近では、多くの企業で自衛隊体験研修を取り入れています。

自衛隊体験研修と聞くと、とても厳しそうなイメージがありますが、実際に行われるのは社会人として基本的な内容がメインです。

例えば、きびきびとした態度で挨拶を行うこと、参加者が整列し、「気をつけ」や「休め」など、整列時の基本的な動作を身につけることなどがあります。点呼で呼ばれた時は、元気良く大きな声で返事をしなければなりません。

また、体育訓練として、ランニングや腕立て伏せ、懸垂など、基礎体力をつける訓練が行われます。

実際の自衛官のような厳しい訓練は行われないものの、一般人の立場としては、厳しい訓練に感じるかもしれません。しかし、人間は、厳しい環境に置かれることで成長するものです。つらいと感じる出来事も、長い目で見れば、つらい出来事が役に立つ、と感じる時が来るかもしれません。

企業によっては特殊な研修が行われますが、研修中に困難な状況に追い込まれると、「どのように対処すれば良いのか分からない」と感じることがあるでしょう。

しかし、特殊な研修は、会社方針に基づいたものと言えます。必死の思いで研修に参加すれば、知らず知らずのうちに、社会人として必要な考え方や経験が身につくのかもしれませんね。

（画像は写真ACより）