厄に見立てた餅を奪い合う。福岡県糸島市の櫻井神社の行事「餅押し」
割れた餅を手にした人には、福が来る
福岡県糸島市の櫻井神社では、1月10日、行事「餅押し」が行われる。
この行事は同神社の初春祭りであり、消防団を中心とした地元の若者たちが締め込み姿の男衆となり、厄に見立てた餅を割れるまで奪い合うというもの。割れた餅を手にした人には、福が来るという。
福岡藩二代目藩主・黒田忠之公が創建した神社
櫻井神社は、福岡藩二代目藩主・黒田忠之公が創建した櫻井神社と、伊勢神宮の内宮・外宮の分霊が鎮座する櫻井大神宮からなる。
櫻井神社は、神直日神と大直日神、そして八十枉津日神を祀る神社。1610年、この地に岩戸神窟が開けて神霊が顕現し、忠之公は家臣を遣わして神の御験を確認。1632年に現在の豪華絢爛な社殿を創建した。
櫻井大神宮は、1625年、岩戸神窟の西南の地・光寿山へ忠之公が神明造り茅葺きの社殿を造営した。伊勢神宮の祀官・橋本氏により、伊勢神宮の内宮と外宮の分霊が奉じられている。
厄年の人たちが参拝者に酒を振る舞う
厄除けと招福を願う行事「餅押し」は、江戸時代から行われているものだとされている。当日は、早朝より福引きが行われ、神社楼門付近では厄年の人たちが参拝者に対して酒を振る舞うという。
メインイベントである「餅押し」は、20時頃から開始。男衆は水を浴びながら、まるでラグビーのモールのように激しく餅を奪い合う。
(画像は櫻井神社の公式ホームページより)