ハリー・デュッカー写真展、現代日本を写し出す「富嶽三十六景」
写真で見る富嶽三十六景
長崎県の平戸オランダ商館で、2017年1月13日から2月19日までハリー・デュッカー写真展「富嶽三十六景」が開催される。入場料は大人300円で、小中校生は200円だ。
オランダ人の写真家
ハリー・デュッカー氏は1950年生まれのオランダ人の写真家である。彼は2010年に北斎の木版画作品「富嶽三十六景」を目にした。そしてその中に自身の背景写真に類似する点を見いだしたのである。
北斎の表現に刺激を受けたデュッカー氏は、自身の「富嶽三十六景」を作ることを決意し、2012年に日本で撮影を行った。
作品は、現代日本の様々な日常を写したものであり、もちろん富士山が含まれている。線路や電線、広告、市街地などは北斎の時代にはなかったものだ。
しかしデュッカー氏は、北斎が当時の日本を富士山とのコンビネーションによって表したのと同じように、現代の日本をみせようとしたのである。
写真によって表現された現代の日本、新しい「富嶽三十六景」から今までになかった新しいものが見つけられるかもしれない。
平戸オランダ商館とは
平戸オランダ商館は、東アジアの貿易拠点として1603年頃からいくつか倉庫などの建物が建設されたのが始まりだった。しかし禁教令の流れから1941年には商館は長崎の出島に移され、平戸オランダ商館はその役目を終えた。
1987年からこの跡地の発掘調査が行われ、復元された平戸オランダ商館では平戸の史実を多くの人に見てもらえる施設として利用されている。