勇壮な男たちによる餅つき「やんさ祭り」
600年伝承され続ける裸祭り
2016年12月3日(土)に、大分県中津市の大野八幡神社で「やんさ祭り」が開催される。毎年12月の第一土曜日の夜に行われる、裸の男たちによる餅つき祭り。神楽奉納や餅の振る舞いなどもある。
やんさ祭りはおよそ600年前から続く歴史ある祭りだ。神社創建にあたり、鎌倉より鶴ヶ岡八幡宮の心霊を勧請してこの地の守護神として祭った。そのときに33人の若侍が鏡餅をついて御神前に備えたのがやんさ祭りの始まりと言われている。
このことから今でも祭りで餅つきに参加するのは33人の若者たち。彼らはふんどし一丁で神官のお祓いを受けた後、それぞれ樫の杵棒を持って臼を囲み「やんさ!やんさ!」という威勢の良いかけ声とともに餅をついていく。33人にちなんで餅米は3升3合3勺だ。
餅は参拝者にも振る舞われる
餅つきが終わると同時に、臼を守る座元側と、これを倒そうとする氏子側に分かれた攻防戦が行われ、来る年の豊作を占う。元気の良い男たちのぶつかり合いだ。
できあがった餅は、最初の分は神前に供える鏡餅として、次の分からは厄除けとして参拝者に振る舞われる。最後の一臼分は神主を中心に餅つきの若者、座元で五穀豊穣を祝って食べる。
冬の寒さを感じさせない、勇壮な男たちの歴史ある祭りを見に行こう。